割烹旅館 天地閣 | 福島県いわき市小名浜

私が子供の頃、この季節夕方になるとどこの家からともなくまな板をたたく音が聞こえてきたものでした。
「お隣さん、今日は秋刀魚だな？」
塩焼き。刺身は勿論ですが、小名浜の秋刀魚料理の代表は、ポーポー焼き・秋刀魚鍋・なめろう・佃煮などです。
秋刀魚を三枚に下し、荒くたたいて葱、生姜、味噌を加えたのが「なめろう」で、これを小判型にして焼いたものがポーポー焼きです。
お皿まで舐めるほど美味しいから「なめろう」、漁師がこれを船の上で焼いたとき秋刀魚の脂が燃えてポーポー、または食べるときに熱くてポーポー（フーフー）、
諸説ありますが、昔から食べられてきた小名浜庶民の味です。

今日は一人ずつの小鍋で、秋刀魚鍋をご用意しました。
秋刀魚は三枚おろしの身とつみれ、これに季節の野菜、キノコ等を入れて醤油味に仕立てました。
最後の〆はこれにうどんを入れ、美味しいスープを吸わせて秋の味を十分ご堪能下さい。

デザートは女将手作りの
マンゴーとココナツミルクのゼリーに日本無花果を添えました。